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食事の基礎
栄養素のバランスを保った上で、全体の摂取エネルギーを低く抑えることが基本。
<栄養素>
生命を維持し、成長や健康な体作りのために必要な物質のこと。主に糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルに分けられる。これらとともに重要視されているのが第6の栄養素ともいわれる食物繊維。
- 糖質
主にエネルギー源。日本食では食事の50〜60%が糖質にあたる。体内で発生する熱量は、1gあたり4kcal。消化器官で消化され、ブドウ糖や果糖等の単糖類となって血液中に吸収されると、いったん肝臓にグリコーゲンとして蓄えられる。肝臓のグリコーゲンは必要に応じて再びブドウ糖となって血液中に入り、血液中の糖濃度(血糖値)を一定の値に維持する。糖質が細胞内で燃焼してエネルギーを発する時は、ビタミンB1が消費される。
糖質の摂取を極端に制限すると、体脂肪の燃焼が大幅に亢進し、血液中に脂肪分解産物の1つ「ケトン体」が増加する。これは酸性の物質なので、血液中に異常に増加すると血液全体のpHが酸性に傾き「酸血症」になる。
- たんぱく質
体の細胞の材料はたんぱく質が主成分であり、生命維持と発育の為に、いつも適量をとることが必要。たんぱく質は20数種類のアミノ酸からつくられているが、うち8種類は体内での合成ができないので食物から取り入れる必要がある。また、たんぱく質は酵素やホルモンの成分でもあり、体内の代謝活動を維持したり、感染症に対する抵抗力やスタミナをつくる源泉ともなる。糖質や脂質が体内に充分にない場合はエネルギー源ともなる。体内で発生する熱量は、1gあたり4kcal。
- 脂質
糖質と同様、体のエネルギー源となる。エネルギーとして使われないときは、中性脂肪として血液中や組織の中に取り入れられる。1gあたり9kcalで糖質やたんぱく質の2倍以上のエネルギーをもっており、腹持ちがよく激しく体を動かす場合は効率の良い栄養素だが、とりすぎはエネルギーオーバーになりやすい。脂溶性ビタミンの吸収を高める働きもある。糖質が燃焼してエネルギーを生み出すにはビタミンB1が必要だが、脂肪の燃焼には必要ない。
- ビタミン
ビタミンはエネルギー源にならない栄養素。細胞で糖質、脂肪、たんぱく質の分解を助け、各組織の増成を促し、神経や脳の働きを調整するなど、微量でも生理機能を円滑に調整する作用を持つ。体内で合成できないので食物からとる必要がある。水溶性と脂溶性にわけられ、水溶性ビタミンは主にB群、Cなど、脂溶性ビタミンは主にA、D、Eなど。
- ミネラル
無機質、灰分ともよばれ、体の水以外の全体量の約4%。重要な生理機能になくてはならない役割を果たしている。
- 食物繊維
体内の消化酵素で消化されない食品中の成分の総称。便を柔らかくし、量をふやし、便秘の解消に役立ち、血液中のコレステロールや中性脂肪の値を改善させる。食べたものの中に食物繊維が多く含まれていると、食べたもの全体の消化に時間がかかり、その結果腹持ちがよくなる。水溶性食物繊維をたくさんとると、胃での消化時間が長くなり、腸での吸収時にも食物が拡散されて食後の血糖が上がりにくくなる。大量にとりすぎると、カルシウム・鉄などミネラルの吸収を阻害する作用もある。
<食事の摂り方>
- 食事の間隔は4〜6時間
食事の間隔があく→空腹でいる時間が長い→血糖が低下している状態→食事をする→急激に血糖が上昇する→血糖を下げ脂肪を合成するホルモン(インスリン)の分泌が促進される→体脂肪が合成されて太りやすくなる
トータルの食事量が少なくても、体のメカニズムが効率良く体脂肪を蓄えようとするので太りやすくなってしまう。
- 糖質:たんぱく質:脂質のエネルギー比が3:1:1になるように
- 朝食
朝食を抜いて昼食まで食べないと、前夜から12時間以上あくことになる。長時間の空腹は次の食事で血糖を上げやすく、これは体脂肪の合成を促すことになる。
脳のエネルギー源は糖質。朝食べたものは1日の活動で消費されるので、しっかり食べる。
昼・夕食で採りにくい卵、豆製品を朝食の主菜にするとよい
- 夕食
夜は栄養の吸収・蓄積を促す副交感神経が活発になるため、夜に食べたものは昼間に食べたものより体内に脂肪として蓄えられやすい。1日3食の1/3量またはそれより少し多いくらいのエネルギー量に。
夕食には1日のバランスを整える食事という役割もある。朝・昼に不足していたものをとったり、昼食が洋食なら夕食は和食にするなど、調整する。
- 1日の所要量
糖質…最低100〜150g(400〜600kcal)、その8割はごはん、パンなどの主食でとる
たんぱく質…体重1kgあたり1〜1.3gの良質なたんぱく質(必須アミノ酸をバランス良く含むもの)
脂質…20g程度に
ビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取のため、緑黄色野菜100g、淡色野菜200g
(野菜は300gで80kcalとかさのわりに熱量が少なく、満腹感が得やすい)
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